軽度自閉症の息子が共感力を得るまで(母親のあくびがうつるようになるまで)前編

先日、私(母親)の中学時代のちょっと辛い思い出話を何気なくしていると、息子が目に涙を一杯ためながら聞いてくれていることに気付きました。そこから、自閉症スペクトラムと共感力について改めて調べ、考え、前回の記事でまとめてみました。

今回からは、息子の共感力に焦点をあて、生後間もない頃から現在までどのように成長してきたかについて、数回に分けて振り返ってみたいと思います。

今回は、生後間もない頃の話です。

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視線も合い、笑顔には笑顔で応じてくれた(生後2ヶ月頃~)

このブログの初期の頃の記事でも触れていますが、息子は、生まれたその日に視線を合わせてくれました。私は「胎教の成果だ~」と喜んでいました。

その後すぐに初期嘔吐で入院(1週間)してしまいましたが、保育器の中からも、こちらに視線を向け、笑顔には笑顔で返してくれているように見える場面が何回かありました。「今、わらってくれたよね?」という瞬間的な場面のほか、ずっとニコニコと微笑んでいるように見える場面もありました。

私からの笑いかけに対してはっきりと笑顔を返してくれるようになったのは生後2ヶ月頃です。視線をしっかり合わせて、満面の笑みで返してくれるようになりました。

ですが、これは、共感力によるものではなく、「共鳴」や「共振」というものだったようです。母親が笑っている…その感情や心を感じ取って共感しているのではなく、「楽しい雰囲気」「明るい雰囲気」をまるで振動が伝わるように感じ取って共鳴・共振していたわけです。

赤ちゃんは、まだ自分と他人の区別がつかず、心を認識することもできません。なので、共感はできないのですが、共鳴や共振はできるんです…。

当時の私はそんなことを知らなかったので、「視線もあうし、笑顔の交感もできるのだから、自閉症のはずがない」と思っていました。共鳴や共振を、共感だと勘違いしていました。

ただ、視線が合っていた点と、共鳴や共振が出来ていたという点は、息子の自閉症が重度ではなく軽度であることを示していたのだと思います。ここはとても重要なポイントではないでしょうか。

自閉症が「軽度」であるとは?

「視線が合う」ということは、自分と他人とを区別できるようになるための手段(可能性)が残っているということになります。赤ちゃんは、お母さんをはじめとする周囲の人たちの視線に触発されて、「他人に見られている自分」つまり「自己」を認識し、自己を他人から切り離していけるようになるそうです。この過程がうまく進まず、自他区別が曖昧な状態が自閉症だとすると、「視線が合う」「視線を合わせてあげる」ということは、自閉傾向を改善するために非常に重要な第一歩になるはずですよね…

また、視線を合わせることで、オキシトシンという愛情ホルモンの分泌を促すことができると言われています。オキシトシンは、共感力やコミュニケーション力と深い関わりがあり、自閉症の症状を緩和するホルモンとして注目されています。最近では、オキシトシン点鼻薬などもあるようですが、本来であれば、子供が周囲から受ける愛情や視線によって自分の体内でオキシトシンを沢山分泌できるようにしてあげたいですよね…

そして、共鳴や共振が出来るということは、脳の中のミラーニューロンが機能していることを示しています。そのミラーニューロンの機能が十分か不十分かのレベルの差はあるでしょうが、少しでも機能しているミラーニューロンがあれば、適切な働きかけによってそのミラーニューロンを強化していくことは可能だと思うのです。そして、このミラーニューロンは、共鳴や共振だけでなく、共感力を得ていくうえでも欠かせない重要な役割を発揮します。

軽度自閉症スペクトラムの子供は、周囲とつながるパイプを持っているところに改善の余地があります。定型発達児と比べてパイプの本数は少ないかもしれませんが、0本ではないはずです。1本か2本でもパイプがあれば、そこを突破口として、あるいは、そこを足掛かりとして、パイプを広げたり、本数を増やしていくことは出来ると実感しています。

「視線が合う」「共鳴・共振ができる」…これは、息子が持っていたパイプです。本数は少なかったかもしれませんが、母親の私としては、非常に有難いパイプが残されていたと感じています。

母親の対応と反省

ここまでお話してきたことは、知識を得た今だから分かることです。当時は全く分かっていなかったので、「視線を合わせる」という点についても特に気を配っていませんでした。

視線が合うことと笑顔の交感ができることから「この子は自閉症じゃない!」と思っていましたが、一方で、次のような様々な様子から、発達障害に対する不安を漠然と抱いていました。

母親が顔を近づけると背ける
抱っこすると反り返りが激しい
おむつが塗れてもウンチをしても全く泣かない
眠くなると何時間も泣いてなかなか寝ない
・・・

それなのに、無知だった私は、忙しくなるとリビングにいる子供に視線も合わせず台所から話しかけることも度々ありました。

もちろん、特別に手を抜いていたわけではなく、普通のお母さんたちと同程度だったのでは???と思うのですが、パイプの本数が少ない子供に対しては、普通のお母さんたちと同程度では不十分だったのだと思うのです。沢山の視線を降り注ぎ、いっぱいっぱい視線を合わせてあげていれば、その後の症状はもっと軽く済んだような気がします。

「たられば」の話ですが…

もし、私にもう一度子育てをやり直すとチャンスが与えられるとすれば、やはり、生後間もないころからの語りかけにおいて、言葉だけでなく、いっぱい視線を合わせて話しかけてあげたい・・・そう思います。

そう考えると、当時は自分なりには必死に子育てしていただけに、切なくもなります…。

今回の記事はここまでになります。読んでいただき、ありがとうございました。

次回は、生後1、2歳頃の様子について振り返る予定です。

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