テレビやゲームが脳に与えるちょっと怖い弊害と良い効果

先日の投稿で、テレビ視聴が子供の脳に与える悪影響について書きましたが、実は、もう一つ怖い危険性が指摘されています。この危険性は、残念ながら一部の発達障害児には表れやすいと思われます…。

一方で、テレビやゲームは全面的に悪いわけではなく、ソフトを選び、使い方が適切であれば、親子のコミュニケーションの道具になるだけでなく、脳に良い効果も得られると言われます。

既にご存知の方も多いとは思いますが、今回は、テレビやゲームが持つ怖い危険性と、良い効果との両面についてまとめてみました。

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テレビやゲームが止められないときに潜む危険性

ドーパミン過剰

テレビやゲームを見て、子供が「楽しい!」とか「もっと見たい(続けたい)‼」と思っているとき、脳の中ではドーパミンという物質が分泌されています。

嬉しいときや楽しいとき、期待感や達成感などで興奮しているときには、誰でも脳の中でドーパミンという神経伝達物質が分泌されるのですが、このドーパミンは人の行動の動機付けをする物質なので、「もっと見たい」「もっと続けたい」という気持ちを高めていきます。

このドーパミンは、通常であれば、ある程度分泌されたあと抑制されて分泌量が減っていきます。これにより、楽しいことでも、嬉しいことでも、寝食を忘れて続けて体を壊してしまわないようにブレーキがかかるようになっています。

このブレーキ役を担う物質がセロトニンです。セロトニンは、脳の中でドーパミンが適量(多すぎず、少なすぎず)を保てるように抑制・調整する重要な働きをする物質です。

(「ドーパミン」「セロトニン」について、詳しくは『軽度発達障害児の育児に脳科学的アプローチのススメ(3)』も是非ご覧ください)

ところが、発達障害児の多くは、脳の中でこのセロトニンが不足しているという指摘があります。

つまり、一度ドーパミンが分泌されると抑制されにくく、そのために、興奮しやすく、興奮がさめにくい、という特性を抱えがちです。

それは、テレビを観たりゲームをしているときに「楽しい!」と思ってしまうと、「もっと見たい」「もっと続けたい」という気持ちに一気に火が付き、その高まった気持ちがいつまでも続きやすい、という特性につながります。

そのために、発達障害児がテレビやゲームに夢中になると、その集中力や執着心も人一倍強く、反復・継続意欲も相当に強いものになり、放っておくと、何十回でも何百回でも、何分でも何時間でも繰り返したり続けたりします。止めさせるのに親はかなり苦労をします。

では、この状態を放っておくとどうなるでしょうか。

ドーパミンは分泌されつづけてしまいます。

そして、これが非常に怖い危険性なのです

ドーパミンは、さまざまな依存症を引き起こす原因物質と言われています。つまり、中毒症状を起こす可能性すらあるわけです。

中毒症状は、脳のシナプス構造が変形してしまう状態(と私は理解しています)で、僅かなドーパミンにも過剰に反応するようになったり、逆に僅かにドーパミンが不足するだけでもドーパミンを渇望するようになったりします。つまり、ドーパミンを分泌してくれるテレビやゲームを片時も離せなくなったり、ちょっとしたことで気持ちが高ぶりやすく興奮しやすくなる可能性があるのです。

そのような脳の構造変形が、子供の脳にも起こり得るのか、子供の脳だから起こりやすいのか、私は分かりません。ですが、テレビだけでなく、大好きなプラレール遊びに長時間夢中になっていた2~4歳の頃の息子の様子は、確かに一種異様にも思えるものでした(そのころは無知でよく分かっていませんでしたが)。そして、そのころの息子は、興奮しやすく、怒りやすく、奇声を発して、本当に難しい子供でした。
(この頃の息子の多動エピソードについてはこちらをご覧ください⇒「1歳頃から目立ち始め現在も続く多動・興奮への対応方法」)

ですから、子供がテレビやビデオ、ゲームをあまりに長時間続けたり延々と繰り返したりすることは、やはり、放置しないで早めに止めさせる方向に持っていった方がよいと感じています。

セロトニンが少ない発達障害児の特性から、止めさせようとすると一時的に激しく抵抗したり癇癪を起こすことは十分に考えられます。そのような抵抗のなか、どうやって適度なところで切り上げさせるか…これは、子供の年齢や精神発達度などによって対応が異なってくると思いますので、後日、別途投稿したいと思います。

・・・・と、ここまでちょっと怖い危険性について書いてきましたが、ドーパミンについて少し捕捉させてください⇓

子供はドーパミンが多いのが普通です

子供は一般的にドーパミン過剰気味です。

「こんなことに、よくこんなに夢中になれるなあ…」とか「おんなじことを何度も繰り返してる…」という話は子供によくある話ですよね。これらはドーパミン分泌量の多い子供のごく普通の特徴で、この特徴が子供の才能を伸ばし、子供を成長させるとも言えます。

ですから、セロトニン量が少ないためにドーパミン分泌が過剰に継続しやすい発達障害児の特徴と、定型児の特徴は、程度の問題ともいえ、見分けるのが難しい場合もあります。

しかも、物凄い集中力が類稀な天才児を生み出す話はよく聞きますもんね。

今回触れた危険性は、天才が生み出される状況と紙一重の問題、あるいは表裏一体の問題かもしれません…。

テレビやゲームは脳に良い効果も持っている!

テレビやゲームを家族の共通の趣味やコミュニケーションの道具として使えれば、弊害を減らすだけでなく、子供の精神発達面で良い効果が期待できることは、前回の投稿でもお話ししました。

それ以外にも、適切な利用(長時間は×)は、療育に次のような良い効果が期待できます。

バラエティ番組などでコミュニケーションを学べる

この点については、「ホンマでっか!?TV」でお馴染みの脳科学者、澤口俊之先生も著書『発達障害の改善と予防』の中でおっしゃってます。

うちの息子も、主人につられて見始めたバラエティ番組が大好きです。冗談、本音と建て前、空気を読む、…など、発達障害児には理解の難しい要素が沢山入っていますが、大人と同じポイントで笑えるようになってきました。誰かが言い争いを始めれば、誰かが間に入って宥めるなど、3人以上の人間関係などもリアルに感じ取れるので、一人っ子の息子には色々な勉強になっているようです。話し方までタレントさんそっくりになってきましたが…

でも、人を叩いたり、蹴ったり…という刺激的シーンは、発達障害児には特別に刺激的すぎるようなので避けた方がいいですね。

ドキュメンタリー番組で視野が広がり他者理解を深められる

同じ年頃の子供が山登りを頑張っているシーンを見たり、叱られながらも何かを成し遂げようとしているシーンを見ると、子供なりに色々と感じとれるようになってきました。

そんな息子も幼稚園のころは、テレビを見て誰かに共感したり「かわいそう…」と同情するようなことがあまりなく、私が尋ねてみても「別に…何とも思わない」と無表情で言ってました。

ですが、小2の最近になって急に、誰かに共感したり同情するようになってきました。「コレ、ひどいよね」「コレ、ダメだよね」など、その判断基準も親の感覚と一致してきました。

狭い世界に凝り固まっていた息子の脳(心)をこじ開けるのに、テレビ番組も一役かってくれたのかな…と思っています。

RPG(ロールプレイングゲーム)でワーキングメモリが鍛えられる

息子はまだゲームデビューしていないので私もよく分からないのですが、RPGがワーキングメモリを鍛えるのに効果があるという話はよく聞きます。

どんな敵がいて、どこにどんな武器があって、どこで何点になって…など、複数の要素を同時に記憶したり引き出したりしながらゲームを進めていくわけですから、ワーキングメモリは鍛えられますよね。

もちろん、ワーキングメモリは、アナログなボードゲームでもトランプでも鍛えられます。ただ、子供が大好きなゲームに熱中しているとき、「ワーキングメモリを鍛えているんだな」と親が思えたら、イライラが減って少し楽ですよね・・・?

(注意:脳科学者の澤口俊之先生は、どんなビデオゲームも6歳までの子供の脳には過刺激の悪影響があるからさせない方がいいとおっしゃっています。)

カーレーシングゲームで脳の実行機能が高められる

これについても、脳科学者、澤口俊之先生が著書『発達障害の改善と予防』の中で書いてらっしゃいます。

6歳までの子供にはさせない方がいいという点はRPGゲームと同じですが、7歳以上の子供には、このようなゲームは効果的らしいです。

実行機能とは、一定の条件下で課題を遂行しようとするときに使われる脳の機能で、社会性との関係が深い機能です。この実行機能を高めるには、あまたある情報の中から必要な情報や条件に合致する情報を選んで注意を向ける選択的注意力も必要となります。

カーレーシングゲームなどは、選択的注意力と実行機能を高め、注意欠陥・多動傾向の改善に効果があるそうです。

まとめ

テレビやゲームは刺激が多くて強く、子供たちにとっては興奮と楽しみがいっぱい詰まっています。

そのため、脳の中でドーパミンがどんどん分泌され、いつまでも続けたくなるのも無理もないのですが、ブレーキ役であるはずのセロトニンの量が少ないと言われる発達障害児の場合、その傾向はますます強くなり、依存症、さらには、脳の構造の変形もあり得るのでは…と危惧します。

一方で、テレビは、子供の世界を広げたり、コミュニケーション力を高めるツールとして、ゲームは、脳のワーキングメモリや実行機能、選択的注意力を高めるツールとして利用することにより、前頭葉を活性化する効果が期待できます

子供の年齢を考慮し、子供の状態をよく観察したうえで、テレビやゲームなど子供が夢中になる遊びを適度に利用しながらストレスの少ない育児をしていきたいな~と思うこの頃です。

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